桐島、部活やめるってよ

これもまた久しぶりに余韻が残る映画でした。


原作者 朝井リョウ と言う人。
早稲田大学在学中の2009年に第22回小説すばる新人賞を受賞したデビュー作。
多分、この時に話題になってちょっと興味を持った。本屋で手にとってみてパラパラと読んでみて、文章があまりにも好みでなくて読むことはなかった。
それが映画になっていて公開されている時は知らずに、レンタルに出て何かのきっかけで予告を目にして、ようやくその存在を知る。予告を観て観たくなった映画です。
ついついいつも、予告だけを観て満足してしまう自分なのですが、今回はなんとかレンタル屋に足を運んで観ることが出来ました。
どこにでもある普遍的なものがこの映画にはあるような気がする。
どこかで重なる部分が、誰にでも感じることができる映画。
できる奴、できない奴、モテル奴、モテナイ奴、部活を頑張る奴、何もしていない奴、クラスでのそれぞれの立ち位置。どうして、こうもどこにでもそういう社会が成り立ってしまうのか今更ながら不思議だ。
誰でも考えるとこういう奴、クラスには一人いる、いや職場にだって、近所にだっている。キャラが一人一人違うのだけれど、よく思い出すと誰かと重なる。
この映画に出てくる人物たちは、どこにでもいる奴なんだろう。でも、どこにでもいる奴が主人公になってしまう。できない奴でも、モテナイ奴でも。もちろんできる奴でも主人公になる。
結局は捉え方なんだろうなと思う。この映画もいろんな人物の時間軸で描いているのだけど、そうすることによって「できる奴」が「できない奴」になったり「できない奴」が実は他から見れば「できる奴」だったりする。
何を持って人は「できる」「できない」を感じるのかなと、自分だったらどうだろうかと。
どんな人であっても、どんな立場であっても、その立場でいろんなやり方はあるだろうけど、かっこよくも悪くもあがいている人が素敵だなと思った。
結構、ここにでてくる人物はあがいているように見える。だから好きなんだろな。
映像も邦画っぽくて好きです。観てから調べたら、去年の日本のアカデミー賞の作品賞を受賞してるんですね。出ている役者さんも全てよっかたのですが、その方も新人賞とか受賞しているみたいです。
こういう映画を観て懐かしいと思うのは年齢を重ねたからなんでしょうかね。いやはや。

この映画の主題歌もインパクトがあって好きです。
神木隆之介が出ていて、映画ともシンクロしていて面白いです。
高橋 優 「陽はまた昇る」

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